ばぐとらぶごる

開発者もすなるぶろぐといふものを、エンバグ野郎もしてみむとてするなり。

使えるバグ力を磨くための4つの心得「デバッガを使えない開発者をアピールせよ」等

こんにちは、開発マネジメントを専攻しているエンバグ嬢です。私は資格も職歴もありませんし日曜プログラマですが、バグに関してはプロフェッショナル。今回は、使えるバグ力を磨くための4つの心得を皆さんにお教えしたいと想います。

1.あえて2〜3世代前の開発環境を勉強会に持っていく

あえて2〜3世代前の開発環境を使うようにしましょう。そして勉強会の場で好みの参加者がいたら話しかけ、わざとらしくノートPCを出してソースコードをいじってみましょう。そして「あ〜ん! この開発環境本当にマジでチョームカつくんですけどぉぉお〜!」と言って、相手に「どうしたの?」と言わせましょう。言わせたらもう大成功。「最新開発環境とか詳しくなくてぇ〜! ずっとVB6使ってるんですけどぉ〜! 使いにくいんですぅ〜! ぷんぷくり〜ん(怒)」と言いましょう。だいたいの参加者さんは新しい開発環境に移りたがる習性があるので、古かったとしても1世代前の開発環境を使っているはずです。

そこで相手が「新しい開発環境にしないの?」と言ってくるはず(言ってこない空気が読めない人は開発に疲れてるのでそっとしておいてあげましょう)。そう言われたらあなたは「なんかなんかぁ〜! 最近.NET Framework 5が人気なんでしょ〜!? あれってどうなんですかぁ? 新しいの欲しいんですけどわかんなぁぁああい!! 私かわいそーなコ★」と返します。すると男は「.NET Framework 4でしょ? 5はまだ出てないよ。本当によくわからないみたいだね。どんなのが欲しいの?」という話になって、次の休みの日にふたりで開発環境選びのデートに行けるというわけです。あなたのバグ力が高ければ、相手がMSDN Subscriptionのライセンス譲ってくれるかも!?

2.ソースコードで><を使うとモテる

「キャー!」とか「悲しい!」などを表現する「><」をコメントに入れると、開発プロジェクトの参加者は「なんかこの開発者だめすぎるなぁ」や「バグ修正してあげたいかも」と思ってくれます。ソースコード上では現実世界よりもイメージが増幅されて開発参加者に伝わるので「><」を多用することによって、開発者はあなたをコメントにろくでもないことを書く初心者開発者らしいと勘違いしてくれるのです。そういうキャラクターにするとほぼ絶対に同業者に嫌われますが気にしないようにしましょう。

3.とりあえず不具合らしき件には「えー!なにそれ!? 知りたい知りたーい♪」と言っておく

開発掲示板などでユーザーさんが開発者に話すことといえばバグ報告や修正案の話ばかり。よって、モチベーションを上げたい人にとってどうでもいい話ばかりです。でもそこで適当に「へぇー環境依存ですかぁ〜?」とか「原因がよくわからないですけどひどいですねぇ」と返してしまうと、さすがのユーザーさんも「この開発者やる気ないな」と気がついてしまいます。そこで無意味にテンションをあげて、「えー!なにそれ!? 知りたい知りたーい♪」と書いておくのが正解。たとえモチベーションがわかないバグ報告でも、テンションと積極性でその場を乗り切りましょう。積極的に話を聞いてくれる開発者にユーザさんは弱いのです。

いろいろと話を聞いたあと、「Access Violationのアドレスは0x00000000で、原因がぬるぽなんですね! 追い詰めたぞぉ! メモメモ!」とコメントすればパーフェクト。続けて頭に指をさしてボタンを押す真似をしつつ「ピポッ! 32768KB OK.」と書いて、「どうしたの?」とユーザさんに書かせるのもアリ。そこで「私のマシン語エミュレータを起動しているのでありますっ」と言えばバグ力アップ! そこでまたユーザさんは「この開発者さんバグ報告しやすくて面白いかも!?」と思ってくれます。私は資格も職歴もありませんし日曜プログラマですが、こういうテクニックを使えば開発経験があまりない私のようなバグ開発者のほうがバグ報告が来たりするのです。バグは直したいですからね。

4.懇親会ではデバッガを使えない開発者をアピールせよ

勉強会の懇親会に参加したら、真っ先にブレークポイントなどのデバッガを使ったバグ調査手法を行って「あーん! 私これ使えないんですよねぇ〜(悲)」と言いましょう。するとほぼ100%「どうして? printfデバッグするの?」と聞かれるので、「printfデバッグしないし使いたいけど使えないんですっ><」と返答しましょう。ここでまた100%「printfデバッグしないのにどうして使わないの?」と聞かれるので、うつむいて3〜5秒ほど間をおいてからボソッとこう言います。「……だって、……だって、うちの環境でデバッガ走らせたらシステムがフリーズするんですよっ! OS不安定ですぅ! まだバグ再現もできてないのにぃぃ〜(悲)。ブレークポイントすら置けないんですよ……」と身を震わせて言うのです。

その瞬間、あなたのバグ力がアップします。きっと相手は「なんて不安定な環境を無理やり使うコなんだろう! 絶対に原因を見つけてやるぞ! このバグ調査は俺の仕事だ!」と心のなかで誓い、デバッグに協力してくれるはずです。プロジェクトに参加してくれるようになったら、そんなことは忘れて好きなだけデバッガを使って大丈夫です。「使えないんじゃなかったっけ?」と言われたら「OSと開発環境入れなおした」とか「PC買い換えた」、「そんなの絶対おかしいよ」と言っておけばOKです。

(文=開発マネジメント・エンバグ嬢)